菖蒲といつもの居酒屋でお酒を
飲みながら楽しい時間を過ごし、
また次の日からも仕事を
ミスしないように頑張った。


プルルルルル プルルルルル


「はい、受付の井崎です。」


『(霞ちゃんお疲れ様。今大丈夫?)』


「蓮見さん‥‥はい、大丈夫です。
 どうかされましたか?」


『10月にやる予定だった面談を
 すっかり忘れてて、今日仕事終わった
 後予定なければ少し時間取れそう?』


「はい、大丈夫です。
 終わり次第着替えて向かいます。」



面談か‥‥
去年はなかったけど、確か佐藤さんが
蓮見さんと面談してたのを思い出す


なんとなく筒井さんとのことが
あってから蓮見さんに会うのを
避けていた部分もあるけど、
仕事なら仕方ないよね‥‥



なんとなく憂鬱なまま業務をこなして
終えると、更衣室で着替えてから
7階にある総務課に向かった。


『お疲れ様です‥‥』


今日は残業している人も多く、
まだ賑やかなフロアに顔を出すと、
電話応対していた古平さんがわたしに
気付いてビックリした表情を浮かべた


そっか‥‥
髪の毛切ってからここに来るの
初めてかもしれない。



『おっ疲れーー!!
 綺麗な子が立ってて誰かと思えば
 霞ちゃんじゃん。』


「は、蓮見さんっ!重いですって!」


後ろからの久しぶりの抱擁に
驚くことはないにしても重くて
倒れそうになってしまう


『蓮見さん、井崎さんのファンに
 刺されますよ。』


『嘘、それは怖い!悪い、つい癖で。
 じゃあ面談しちゃおっか。
 こだちゃん俺Bにいるから。』


古平さんが呆れたように軽く手を上げて
返事をすると、蓮見さんと一緒に
会議室に入った。


ここに来るのは春以来だな‥‥
あんまりいい思い出がないだけに、
なんとなく早く終わらせたくなる。



『ほんとごめん、なんか月末バタバタで
 本気で忘れてたから。』


「いえ、構いません。ところで面談って
 何をされるんですか?」


前みたいに、一つ席を空けて座った
蓮見さんの方に椅子を向ける


『年に一度、部署内全員に、
 困ってることや変えたいこととか
 あれば聞いてるんだよね。
 霞ちゃんも特に受付で困ってる
 事とか部署が変わりたいとかない?』


「はい、特にありません。」


もっと何か細かく厳しく
問いただされるのかと思っていたから
少しだけホッとした。


『オッケー。じゃあここからは
 個人的な面談させてね。
 ‥‥‥滉一とは会ってないの?』


ドクン