ピンポーン
えっ?
その場に座り込んでいた私は、
インターホンの音にもしかしてと
思い、ぐちゃぐちゃな顔で立ち上がり
ドアスコープを覗いた
嘘っ!!‥‥どうして‥‥
ガチャ
『霞‥‥‥』
「ウッ‥‥あや‥め‥‥ヴゥ‥」
『馬鹿‥‥なんで連絡しないのよ‥。』
嗚咽を止めることが出来ない私は、
私よりも背丈が小さな彼女が
力強く抱きしめてくれそのまま
また泣き始めてしまった‥‥
筒井さんが来るはずなんてない‥‥
そんなことは分かっているのに、
いつも泣いていると必ずすぐに
駆けつけてくれていただけに、
余計に涙が溢れてしまう
思いっきり鼻を摘んで
嘘だから泣くなって叱って欲しい‥
子供みたいに泣く私に
お仕置きだってキスをして笑って欲しい
ほんとはあそこで、
別れたくないって伝えてたら
筒井さんはなんて答えてくれた?
考えても仕方のないことなのに、
我慢していた感情が溢れ、しばらく
菖蒲の腕の中で泣いたのだ。
その日は菖蒲が家に泊まってくれ、
私が寝付くまでずっとそばにいてくれた
菖蒲‥‥
菖蒲が彼と別れた時に、自分だったら
きっと菖蒲みたいに笑えないって
思ってたけど、ほんとにそうだったよ‥
月曜日から嫌でもまた仕事が始まる
仕事中は私情を挟める場所じゃない。
顔に出てしまうだけでも受付として
失格だから。
また元に戻っただけ‥‥
3年前のように、また前に進むだけ。
『霞、大丈夫?』
「‥‥うん、ありがとう。
菖蒲がいてくれて嬉しかった。」
『あのさ‥‥‥ううん、やっぱり
なんでもない。月曜日、仕事が
終わったらご飯に行こう?
ちゃんと食べなきゃダメだからね。』
「うん、分かってる。」
小さな体でもう一度私を力強く
抱きしめてくれた菖蒲は、背中を強めに
何度も叩いてくれたので思わず
笑ってしまった
下まで見送りたかったけど、顔が
泣き過ぎてパンパンに腫れてしまって
いるから玄関先で菖蒲を見送った
「はぁ‥‥」
落ち込んでいても仕方ない。
私が泣こうが何しようが変わらない。
ずっと毎日肌身離さずつけていた
ネックレスと指輪をとると、
もう一度それを手の中でギュッと
握りしめた
大好きな筒井さんとの思い出と共に、
いつか手放せる日が来る時まで
大切にここに閉まっておこう‥‥
えっ?
その場に座り込んでいた私は、
インターホンの音にもしかしてと
思い、ぐちゃぐちゃな顔で立ち上がり
ドアスコープを覗いた
嘘っ!!‥‥どうして‥‥
ガチャ
『霞‥‥‥』
「ウッ‥‥あや‥め‥‥ヴゥ‥」
『馬鹿‥‥なんで連絡しないのよ‥。』
嗚咽を止めることが出来ない私は、
私よりも背丈が小さな彼女が
力強く抱きしめてくれそのまま
また泣き始めてしまった‥‥
筒井さんが来るはずなんてない‥‥
そんなことは分かっているのに、
いつも泣いていると必ずすぐに
駆けつけてくれていただけに、
余計に涙が溢れてしまう
思いっきり鼻を摘んで
嘘だから泣くなって叱って欲しい‥
子供みたいに泣く私に
お仕置きだってキスをして笑って欲しい
ほんとはあそこで、
別れたくないって伝えてたら
筒井さんはなんて答えてくれた?
考えても仕方のないことなのに、
我慢していた感情が溢れ、しばらく
菖蒲の腕の中で泣いたのだ。
その日は菖蒲が家に泊まってくれ、
私が寝付くまでずっとそばにいてくれた
菖蒲‥‥
菖蒲が彼と別れた時に、自分だったら
きっと菖蒲みたいに笑えないって
思ってたけど、ほんとにそうだったよ‥
月曜日から嫌でもまた仕事が始まる
仕事中は私情を挟める場所じゃない。
顔に出てしまうだけでも受付として
失格だから。
また元に戻っただけ‥‥
3年前のように、また前に進むだけ。
『霞、大丈夫?』
「‥‥うん、ありがとう。
菖蒲がいてくれて嬉しかった。」
『あのさ‥‥‥ううん、やっぱり
なんでもない。月曜日、仕事が
終わったらご飯に行こう?
ちゃんと食べなきゃダメだからね。』
「うん、分かってる。」
小さな体でもう一度私を力強く
抱きしめてくれた菖蒲は、背中を強めに
何度も叩いてくれたので思わず
笑ってしまった
下まで見送りたかったけど、顔が
泣き過ぎてパンパンに腫れてしまって
いるから玄関先で菖蒲を見送った
「はぁ‥‥」
落ち込んでいても仕方ない。
私が泣こうが何しようが変わらない。
ずっと毎日肌身離さずつけていた
ネックレスと指輪をとると、
もう一度それを手の中でギュッと
握りしめた
大好きな筒井さんとの思い出と共に、
いつか手放せる日が来る時まで
大切にここに閉まっておこう‥‥