「先輩、私先輩に助けられて今があります。助けてくれなかったら今頃死んじゃってたかも知れないんです。あの時は……本当にありがとうございます……!!」


線香花火が落ちてしまうから、盛大にお辞儀を出来ないけど、しっかり頭を下げた。


あの時、不注意だった私を助けてくれたのが、先輩で良かった。


線香花火が風で少し揺れて落ちかける。


それでも火を灯し続ける線香花火を見つめていると、自然と視界がぼやけた。


泣くなんて、みっともないし、顔だって不細工になってしまう。


そんなの今は気にしない。