今日こそ言おう、といつもと同じことを考えながら先輩を見つめていたら、先輩がいきなり振り返ってびっくりしちゃった。


「あのさ、俺言えてなかったことがあるんだよね」


いきなりのことに私は戸惑って、無言で頷くことしかできない。


花火に照らされているからか、それとも他の理由か何かで、先輩の頬が少し赤いような気がする。


その真剣な瞳に私は胸を鷲掴みにされた感覚になった。


「瑠璃ちゃんの浴衣、すごく……か、可愛いよ」


どんどん真っ赤になる先輩の様子がいつもと違うくて、新鮮さを感じる。