「あの、なんで凛さんが」


「友達と来たんだけど友達二人にドタキャンされちゃって一人で来たら、偶然遊星が居たの!!」


また偶然なの?


疑ったらダメなのに、疑うなんて最低なのに。


モデル以上にモデルな凛さんは、しっかりメイクやヘアセット、浴衣に持ち物、全てを完璧にしている。


もしも、先にふたりが約束していたとかなら私は。


「あの、さ。言いにくいんだけど」


「あー、でも私いたら2人のお邪魔だね?やっぱり去るね!」


先輩が口を開いたところを、凛さんが抑えて、そのまま去ろうとしている。


凛さんが颯爽と去っていって、無言の空気が流れる。