『大丈夫?』


『え、うん。ありがとうっ!』


ランドセルを無理やり後ろから引かれただけ。


それなのにどうしてこんなにもかっこいいんだろうって、生まれて初めて感じた。


『じゃあまた!!』


『えっ!?う、うんっ!』


私を助けたあと、すぐに笑顔で手を振り、去っていった。


なんだか……アニメのヒーローみたいだった。


また、っていつか会えたらいいのにな。


その時は、先輩と中学校で再会出来るということを知らなかった。


入学式、在校生代表挨拶で前に出たのは、身長も体型も顔つきも変わった、でも紛れもない亀原先輩だった。


少し暑い体育館で、私だけが多分真っ赤だったと思う。