これならあいつに会った時、好きになって貰えるかもしれない。


モチベーションが一気に上がりその東京の高校に入るために人生で1番の勉強をした。


そしたら意外にも勉強が面白いと知ってしまう。


学校の先生たちには


「あの糸瀬くん?」


とテストでいい点をとる度に毎度毎度驚かれた。


無理もない。


今まで赤点ばっかのやつが急にいい点取り始めたんだから。


そしてなんと。


その高校に合格することが出来た。


以前の成績だったら合格なんて不可能だったのに。


夢を見ている気分だった。


そこから東京でマンション借りて一人暮らしが始まる。


そう考えるとワクワクが止まらなかった。


両親と離れるのに抵抗はなかったし周りの人達は


「糸瀬くん自分で東京行くって決めるなんてすごいよ!」


とか褒めてくれるので悪い気はしなかった。


地元を離れることなんて前の俺じゃ考えようともしなかったわけだし。