「じゃーね、ほんとありがとう。」


「ああ。じゃーな。」


そいつは大きく手を振って集合場所へと去っていった。


俺も小さく手を振ってやった。


これが俺のここ、光花高校に来た理由だ。


こいつに会うために東京に来た。


名前もわかんないけど、適当に地元の高校に行くよりかは一人暮らし始めたかったしちょうどいい。


あの女にあってからの俺はわれながらだけど随分変わったと思う。


まず小学生のころからしていたメガネを卒業しコンタクトにした。


その後、見た目に気を使うようになった。


両親からは


「どうしたの?イメチェン?」


と言われ、学校の奴らからも話しかけられるようになった。


「ほんと糸瀬くん話しかけやすくやったよね〜。」


クラスの女子がそう言っているのを耳にした時は思わずガッツポーズをしてしまった。