でも、そのそーなんだーに俺はなんか救われた気がした。


だいたいのやつはお節介しようとするからめんどくさい。


けどこいつは俺の言葉にそーなんだと返した。


別になんて返ってこようが良いって思ってたのに。


少し歩くともう京都駅が見えてきた。


京都タワー側の出口で集合がかかってるらしく女は


「ここまでありがと!」


とニッコリして言う。


いや、絶対ここで別れたらダメなやつだろ。


危ないって。


「待て。最後までおくる。」


珍しく芽生えた責任感となぜかこいつを守りたいという感情。


これがなんなのかわかんないけどとりあえずこいつを集合場所まで送ってやらないと。



とことこと歩いて案内する。


「京都人なのに方言じゃないんだね。」


「悪いか。」


「ぜーんぜん。」


俺は親が転勤族だから京都に来るまでは静岡だった。


京都の方へは中1の夏に引っ越してきた。


だから方言とかはあんまりない。


話そうと思えば少しだけなら話せるけど日常会話でポロッと出てきてしまうような程度ではない。


それを言うと彼女は


「転勤族かー。何回も転校してやってるのすごいね!」


真っ直ぐではっきりとした言葉に俺は惹かれてしまった。


こんなにまっすぐ褒められたのはいつぶりだろう。