夏休みとはいえ平日だからか、屋上には人も車もいなかった。


屋上に出てすぐのところにあるベンチに並んで座った。


室内の冷たい空気がほんのり届いて、少し涼しい。



「はい」


「ありがとう」



彼がスーパーの袋からアイスを出して渡してくれた。


溶けないうちに封を開けて食べ始める。



「そういえばさ、名前聞いてもいい?」


「日葵(ひまり)です」


「高校生?」


「はい。高校2年生です」


「あ、じゃあ同い年だ。俺は匠海(たくみ)。敬語じゃなくていいよ」


「うん。わかった」



それから、アイスを食べながら、アイスを食べ終わったあとも1時間くらい話した。


会うのは2度目だしちゃんと話したのは初めてだけど、不思議と嫌な心地はしなかった。