いなかった…友達は。


誰もいないと思った場所に、ひとり、男の子が立っていた。


昨年は来ていないから分からないけど、いつもは私たちだけだった。


知らない人と一緒で気まずい思いと穴場が見つかってしまった悲しさが胸に浮かんだ。


彼と少し離れた場所に立ち、夜空を見上げる。


月と星が綺麗に輝いていた。


思わずカメラを向けたけど、写真ではその綺麗さが分からなかった。


5分ほど待っていると、遠くからカウントダウンが聞こえた。


「…3!2!1!」


ヒュー……パン!


大きな花火が空に咲いた。


毎年少しづつ演出が変わるから、飽きることはない。


パン!パン!


その後も色とりどりの花火が夜空を彩った。


ファインダー越しでも肉眼でも花火を楽しんでいた。