18時、私は花火大会の会場にいた。


いつもは浴衣を着ていたけれど、さすがにひとりではその勇気がなくて私服。


そしていつもと違うところがもうひとつ。


首にかけられたこれ。


高校の入学祝いで祖父母が買ってくれたカメラだ。


これで花火を撮りたいと思ったのが、花火大会に来た1番の理由だった。


花火は20時からだけど、どうせなら屋台も見ようとこの時間に来た。


会場はすでに混雑していて、歩行者天国になっている駅前の道にはたくさんの人がいた。


からあげ、たこ焼き、りんご飴。


屋台からの匂いに私のお腹も反応した。


私がここで食べるものは毎年同じだ。


じゃがバター、焼きそば、かき氷。


毎年同じ場所で同じものを食べる。


でもどうせなら今年は変えてみようと思い、目の前にあったイカ焼きのお店へ足を運んだ。