「日葵、好きだよ。情けなくてごめん。でも、日葵とずっと一緒にいたい」


「私は…私は、弱いとも情けないとも思わないよ。でも、もしそうでも、私は匠海くんと一緒にいたい」


「日葵…」


「私も、匠海くんのことが好き」



匠海くんが私の手をとった。



「俺と、付き合ってください」


「…はい」


それから、2人で手を繋いで夜空を見上げた。


私たちを祝福しているかのように、綺麗な満月が浮かんでいた。



「日葵、月が綺麗だね」



昨日、テレビで聞いた。


昔の人は、愛の告白をする時に「月が綺麗ですね」と言っていたことを。


匠海くんがそれを知っていて言ったのかは分からない。


でも…



「うん。月が綺麗だね」