「先週、おばあちゃん死んじゃった」


「え…」


「前から具合良くなくて。引っ越してきたのも、有名な大学病院があるからなんだけどさ」



そういえば駅の向こうに大学病院があった。


有名な先生がいるとかで、雑誌に取り上げられたんだっけ。


私も私の家族も、病気とは無縁だったから忘れてた。


青い光に照らされた匠海くんは、悲しみを隠すように笑っていた。



「無理に笑わなくてもいいのに」


「…え?」


「おばあちゃんのこと、大好きだったんだね」



匠海くんは目に溜めていた涙を零した。



「大好きだった…ううん、今も大好き」