…でも、彼は来なかった。


アイスコーナーで15分待っても、屋上のベンチで30分待っても。


16時頃電話してみたけど出ない。


メッセージも既読にならない。


何かあったのだろうか。


それとも、私と会うのが嫌になってしまったのだろうか。


不安な気持ちのまま家に帰った。


それから、彼と連絡が取れなかった。


わずかな望みを信じて毎朝送った「おはよう」には既読が着くだけで、返信はなかった。


1週間後。


宿題をやる気を無くし、テレビを見ていた時だった。


通知音とともに、匠海くんから一通のメッセージが届いた。



『今から会えない?いつものとこで待ってる』



迷わなかった。


最低限の身支度をして、家を飛び出した。