「お待たせ」


「貸して」


「え?」



匠海くんが私の手から袋を取った。



「あ、ありがと」


「ん」



屋上に出ると綺麗な青が空一面を染めていた。


この間と同じようにベンチに並んで座り、アイスを食べた。


また一緒にアイスを食べたい、また会いたいという思いが頭をよぎった。


でも連絡する術もないし、連絡先を聞く勇気もない。



「ねえ、連絡先教えてくれない?」



そんな私の心を呼んだかのように彼が言った。



「うん、私も知りたいと思ってた」


「ほんと?良かった」



そうして私たちは連絡する術を得た。