山崎side



時間は過ぎ、放課後──



残りの仕事を片付けるために、委員会室に行って仕事をする。



まだ真白ちゃんは来てないみたいだから、今のうちに進められるところは進めておこう。



その思いで仕事をしていたら、すぐに割と早いペースで仕事が片付く。



この勢いなら、真白ちゃんが来る前に終わっちゃうんじゃないか?



そんなことを考えていると、教室のドアがガラッと開く。



「すみません、遅くなりました」



「やぁ、真白ちゃん。どうしたの?なにか用事でもあった?」



「いえ・・・友達に色々と尋問されまして」



「・・・尋問?」



頭にハテナが浮かぶけど、まぁ真白ちゃんにも色々あるか。



そう思い、作業に戻る。



本当はもっと長く真白ちゃんと一緒にいたいからゆっくりやりたい。



けど、帰りが遅くなりすぎると真白ちゃんも大変だろうし・・・そう思い、作業を進める。



「・・・先輩って、モテますか?」



「え?」



その声で顔を上げると、書類を広げて作業しようとしている真白ちゃんが、俺の方を見つめながら質問してくる。



真白ちゃんが仕事以外で、質問してくるとは思わなかった。



しかも、書類じゃなくて俺を見ながらなんて・・・。



「そうだな・・・モテる方だと思うよ。告白とかも月に10回以上されたこともあったし。・・・まぁ、気になる子に好きになって貰えないなら、別にモテなくてもいいんだけどね」



「・・・そうですか」



嬉しさを噛み締めながら質問に答えると、視線を俺から逸らし、作業に入ってしまう。



せっかく俺の事見てくれたのに・・・。



ちょっと寂しくなりながら作業を続ける。



もう少しで終わる・・・そう思いながら背伸びをした時、隣でバッと顔を背けた真白ちゃんが見えた。



・・・もしかして・・・俺の事見てた?



「・・・どうしたの?真白ちゃん」



「い、いえ。なんでもありません」



少し言葉がつっかかりながら作業を進める真白ちゃん。



その言葉を聞いて、俺は確信した。



俺の横顔、見てたんだな。



「もしかして・・・俺の事見てた?」



「っ・・・!違います!別に見てません!」



少しムキになりながら返事をする真白ちゃん。



少しだけだけど・・・顔、赤くなってる。



ふふっ・・・ムキになってる真白ちゃん、可愛いな。



「ふぅん・・・それにしては顔が赤くなってるけど?」



「っ・・・!?見ないでください!!」



そういうと、顔の前にバッと勢いよく手を覆う。



見ないでって言われたら、余計見たくなっちゃうな。



「ねぇ、手ぇどかして。顔見たい」



いつもより低めの声で真白ちゃんの手首をつかんで腕をよかそうとする。



だけど、力いっぱい抵抗されて上手く腕をよかせない。



結構力あるな・・・動かないぞ・・・。



「嫌です!ていうか、仕事してください!」



「君の顔見たら仕事するよ」



「・・・・・・」



俺の声で少しだけ力を弱めた真白ちゃん。



今のうちに・・・と思って腕をどかすと、さっきより真っ赤になった真白ちゃんの顔が顕になる。



想像以上に顔が赤くなっていて、動きを止めざるを得ない。



え・・・なんでこんなに赤くなってるの・・・?



しかも、超可愛い。



「っ・・・ほら、顔見せましたよ。早く作業に戻ってください」



「あ、うん・・・仕事しよっか」



真白ちゃんの言葉に、ハッとして手首をつかんでいた手を離す。



そして残りの仕事を片付ける。



・・・ビックリした・・・あの表情は反則だよ・・・。



そう思いながら、口元を隠すように手を当てた。