お昼休み──



委員会の仕事の書類整理をして欲しい、と言われて委員会室で頼まれた書類を整理する。



もちろん、真白ちゃんも一緒だ。



ご飯を食べた後に集合して作業をしているんだけど・・・。



「・・・・・・」



無言のまま作業をしている真白ちゃん。



その横顔を盗み見しながら作業をする。



「真白ちゃんって真面目だよね」



「そうですか?」



作業する手を止めずに、必要最低限の言葉で返してくる真白ちゃん。



話する時ぐらい、俺の方見てくれてもいいと思うけど・・・。



まぁ、そんな期待しちゃダメだよな。



「うん。だって、お昼休み潰れちゃってるのに文句1つ言わないで淡々とやってるでしょ?偉いなーと思って」



頬杖をつきながら、真白ちゃんの方を向きながら声をかける。



だけど、真白ちゃんがこっちを向くことは無かった。




ちょっとぐらい俺の方向いてくれてもいいと思うんだけどなぁ。



「それは先輩も同じじゃないですか。先輩だって文句言ってませんよね?」



「俺は真白ちゃんと一緒にお昼休み過ごせて嬉しいからね、文句なんて出てこないよ」



「そうですか」



真白ちゃんの言葉に、思っていることを素直に答える。



だけど、真白ちゃんは俺の言葉に反応することなく淡々と作業を進めていた。



うーん・・・手強い。



こんな言葉じゃ反応してくれないか。



「真白ちゃんは?俺といれて嬉しい?」



「なんとも思いません。そんなことより、早く終わらせましょう」



そんなことより・・・か。



まぁ、そうだろうな。



真白ちゃん、俺の事意識してる訳じゃないし。



「はいはい」



真白ちゃんの事を見つめるのをやめて作業に戻る。



その間も、ポツポツと話題を振るけど必要最低限の返答しか返ってこない。



俺の方を見ることもなく、時間は過ぎていく。



キーンコーンカーンコーン・・・



昼休み終了の合図がなり、ようやく顔を上げた真白ちゃん。



「時間ですね。終わらなかった分は放課後にでもやりましょう」



「そうだね。放課後も真白ちゃんと居れるの嬉しいな」



ようやく顔を上げてくれた真白ちゃんにここぞとばかりに口説きにかかる。



「・・・そんなこと言ってないで、先輩もちゃんと作業してくださいよ。全然進んでないんですから」



「わかってるって」



俺の方を見てハァ、とため息をついたあと片付けをする。



やっと俺の方見てくれたけど・・・ため息つきながらか。



先が思いやられるな、これは。



そう思いながら、俺の方も片付けをした。