真白side



山崎先輩の様子がおかしいと思い、先輩に声をかけた時から私は先輩に会う度にドキドキしていた。



その行動1つ1つが私の心をかき乱してくる。



でも、なんでこんなにドキドキするのかな。



キスされた時も、告白された時も・・・先輩に関わるとドキドキして、心臓が壊れそうになる。



今までこんなことなった事ないのに・・・。



一花に相談してみようかな。



「ねぇ、一花」



「んー?なに?」



お昼休みに一花と一緒に校舎脇のベンチに腰かけてお昼を食べている最中、私は意を決して一花に声をかける。



一花はご飯を食べながら私の方に視線を向けた。




「ちょっと相談あるんだけどさ・・・」



「なによ、改まって」



「・・・あのさ、山崎先輩の事なんだけど──」



私は、山崎先輩に告白されたこととキスされたことを話した。



そして、最近山崎先輩を見るとドキドキして集中出来ないことも。



それを聞いた一花は、驚いたように私を見たあと、嬉しそうに笑った。



「・・・唯。それ、恋だよ」



「コイ・・・?」



「山崎先輩のことが好きってことでしょ」



「すっ・・・!?」



一花に言われ、ボンッと沸騰したように顔が熱くなっていく。



だけど、そう考えるとふに落ちることばかりだ。



先輩と一緒にいるとドキドキするのも、心をかき乱されるのも。



私が、先輩を好きだからなのか。



「人の恋愛ってこんなに甘酸っぱいのね〜。聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるわ〜」



「う、うるさいわね。私だって恥ずかしいわよ!」



一花の言葉にご飯を食べながら反抗する。



私だって、自分で解決できるなら一花に相談なんてしない。



自分で解決できそうになかったから一花に相談したのに・・・。



「でも、驚いたな。恋愛にキョーミないって言ってた唯がねぇ・・・」



「自分でもビックリしてるわよ」



恋愛なんて、キョーミなかったはずなんだけどな。



いつの間にか、恋に落ちてた。



「友として嬉しい限りだよ。これで、正々堂々とダブルデートできるね」



「なっ・・・!?まだ付き合うって訳じゃないってば!!」



嬉しそうにしている一花に対して、慌てて否定する。



確かに私は山崎先輩が好きだけど、それとこれとは話が違ってくる。



「なーに言ってんのさ!山崎先輩も唯のこと好きで、唯も山崎先輩のこと好きなんだから付き合うっきゃないでしょ!?」



「で、でも・・・どう言って告白の返事すればいいかわかんないんだもん・・・」



告白されたのはもう随分と前だ。



告白されてすぐなら返事のしようがあるけど・・・時間が経つと、どう返事を返していいのか分からない。



「そんなの気合いよ、気合い!私だって似たようなものだもの!」



「いや、そんなこと言われても・・・」



気合いで乗り切ろうとしている一花に呆れながら言葉を発する。



その後もご飯を食べ終わるまで相談をしていたけど・・・。



この気持ちがなんなのかは分かったけど、それを伝える方法が分からないままだった。