そのまま頭を撫で続けるけど、動こうとしない真白ちゃん。
どうしたもんか・・・と考えていると、後続の伊達ちゃん達が出てくる。
「クッリアー!!」
「あれ、真白・・・?大丈夫ッスか?それ」
「うーん・・・ダメっぽい。もう少ししたら元に戻ると思うよ」
伊織の問いかけに苦笑しながら答え、真白ちゃんの頭を撫で続ける。
「唯ってば本当にお化け屋敷苦手だよね〜・・・。まっ、無理矢理連れてったの私だけど」
「俺は平気だから良いけど真白ちゃんは──」
“真白ちゃんは無理させちゃダメだよ”
そう言おうとした時、抱きついていた真白ちゃんが勢いよく離れる。
「あ、復活した」
「唯、どうだった?イケメンな先輩とのお化け屋敷は」
「・・・怖かった・・・もう2度と行かない」
うつむきながらボソボソ喋る真白ちゃん。
まぁ、そうなるよな。
「あーらら。トラウマ植え付けちゃったか」
あちゃー、と言いながら頭を搔く伊達ちゃん。
まぁ、俺はいい思いしちゃったけど・・・真白ちゃんにとっては散々な目にあってるわけだからね。
そうなっても仕方ない。
「他回るって言っても、真白ちゃんはさっきの余韻残ってるだろうから、少し休憩してから回るよ。2人は先に他の所回ってきな」
伊織と伊達ちゃんに向かって声をかける。
まぁ、真白ちゃんを休ませてあげたいって気持ちもあるけど・・・もう少し、真白ちゃんと2人っきりでいたいんだよね。
「え、でも──」
「俺が真白ちゃんと2人になりたいの。・・・ダメ?」
食い下がろうとする伊達ちゃんに対し、真白ちゃんには聞こえないように耳元でささやく。
すると、目を見開いた後に嬉しそうな表情を浮かべた伊達ちゃん。
「!!ダメじゃないです!!じゃ、伊織、行こ!!」
そう言って、伊織の手を引いてそさくさとその場を去る伊達ちゃん。
本当、いい子だな。
「真白ちゃん、近くのベンチに行こう。少し休憩しよっか」
「・・・はい」
「!!」
返事をしながら、俺の服の裾を掴んでくる真白ちゃん。
真白ちゃん、裾掴んでる・・・。
手、握ってくれればいいのに。
そう思いながらベンチまで歩いていった。