あれから1ヶ月の月日が流れた。



委員会の仕事をして、帰りに一緒に帰っての繰り返し。



変わったことといえば、俺が真白ちゃんに対して積極的にアプローチをし始めたってことぐらいだ。



まぁ、肝心なところははぐらかしているんだけど。



だけど、真白ちゃんは照れたり恥ずかしそうにしている。



・・・ちょっとは脈ありそうだな。



そんなことを考えながら、お昼休みの時間に委員会の仕事をしていた。



「ねぇ、真白ちゃん」



「なんですか?」



目線をこちらに向けずに作業をし続けながら答える真白ちゃん。



少し切り込んだ話をしてみるか。



戸惑うかな?



「真白ちゃんって、好きな人いる?」



「はっ!?なっ、なんでそんなこと聞くんですか!?」



思ってた通り、目に見えて慌て始める真白ちゃんは視線を俺の方に向ける。



少しだけ顔が赤くなっていた。



ほんと、すぐ顔に出るよなぁ・・・真白ちゃんって。



「んー、気になったから。で、どうなの?」



「い、いませんよ、別に」



俺から視線を逸らし、作業をしながら答える真白ちゃん。



だけどその頬は真っ赤に染まっていた。



いない・・・ね・・・。



そんな真っ赤な顔して否定されてもな。



「ふぅん・・・気になる人もいないの?」



「いません!それより、早くその作業終わらせてください。私の作業が進みません」



「はいはい」



少しムキになりながら作業をするように促す真白ちゃん。



最近、アプローチし始めたらこうやって作業しろって言われること増えてきたな。



まぁ、話を遮るにはそれが1番なんだろうけど・・・なんか、こういう態度取られると追い詰めたくなっちゃうな。



「気になる人もなし・・・ってことは、俺にもチャンスあるかな?」



「チャ、チャンスって・・・」



「真白ちゃんに好きになってもらえるチャンスだよ。俺、結構頑張ってアプローチしてるんだけど、俺にチャンスない?」



頬杖をついて真白ちゃんの方を向きながら微笑む。



俺と目が合った真白ちゃんは、慌てて視線を逸らした。



「・・・さぁ、無くはないんじゃないですか?」



「本当?だったら嬉しいな」



てっきりはぐらかされると思ってたのに・・・。



真面目に答えてくれた真白ちゃんに驚きつつも、嬉しさで笑みが零れる。



「っ・・・そんなことより、仕事してください」



「そう言うけど、俺、割とやってるよ?喋ってる最中も手は動かしてるし。・・・はい、出来たよ」



そう言って、出来上がった書類を真白ちゃんに渡す。



「・・・そうですか」



少しだけ腑に落ちないといった面持ちで俺の差し出した書類を受け取った真白ちゃん。



そんな彼女の姿が面白くて、少し笑ってしまった。