山崎side



真白ちゃんのことを送ってから1週間。



しばらく仕事がなくて一緒になる機会が減ってしまった。



だけど、帰るタイミングが合えば一緒に帰ったりしていたんだけど・・・真白ちゃんの様子が少しおかしかった。



会って初日の真白ちゃんは何を言っても無関心って感じだったのに、今は俺の言葉1つ1つに反応してしまっているような状態だった。



そして、今日のお昼休み──仕事が舞い込んできた。



良かった・・・これで真白ちゃんと一緒にいれる。



そう思いながら真白ちゃんがくるのを待っていると、ガラッと扉が開く。



そこには、いつもの真白ちゃんがいた。



──いや、1つだけ違う。



真白ちゃんの唇がいつも以上にプルプルで、色っぽいのだ。



「すみません、作業始めましょう」



何食わぬ顔で俺の隣に座り、作業を始め出す真白ちゃん。



俺は、真白ちゃんの唇に釘付けになっていた。



俺がやる仕事は真白ちゃんが終えた仕事の後処理と、書類の整理。



多少作業が止まっても問題ない。



手元で紙飛行機を折りながら、チラッと真白ちゃんの唇を見る。



やっぱり、なにか塗ってるのかな・・・なんか・・・キスしたくなるような唇してる。



「ねぇ、真白ちゃん」



「はい、なんですか」



作業をしながら顔を上げることなく仕事をし続ける真白ちゃん。



相変わらず、視線は向けないか。



「こっち向いて」



「・・・何してるんですか?」



俺の言葉に素直に顔を上げる真白ちゃん。



俺の手にしている紙飛行機を見て、声を上げた。



その間も、俺は真白ちゃんの口元しか目に入らなかった。



「見て、紙飛行機。すごく飛ぶヤツ出来た」



「仕事してください」



ふいっと視線を下げ、作業に戻る真白ちゃん。



だよね・・・やっぱり興味無いか・・・。



「だって、真白ちゃんが終わらないと俺の作業進まないんだもん」



「他のものから片付けてください」



つっけんどんな態度で資料から視線を外さずに作業をしていく真白ちゃん。



何かを喋るたびに動く唇が俺を誘惑してくる。



やばい・・・今、めっちゃキスがしたい・・・。



そう思わせるのには十分すぎるほどだった。