シュヴェスターを迎えてから五日後、プリンツェッスィンは元気な男の子を出産した。

 考えてた通り、ブルーダーと名付けてシュヴェスターと共に国民に発表する。

 子が生まれて幸せなのだが、プリンツェッスィンはある問題を抱えていた。

「ツェスィー! もう乳母を付けよう!」
「いえ……。私のお乳で育てます……」

 可愛い我が子達だが、同時に二人も育てるとなると大変である。

 シャイネンは産休を取っているグレンツェンに助けて貰ってるが、ヴァールは国王なので休みは取れなかった。

 二人のお世話と公務に追われ、フラフラになるほど疲労するプリンツェッスィンは激ヤセしてしまう。

 乳母をつけようかとヴァールに提案されるが、自分のお乳をあげたいと首を縦に振らないのだ。

 その様子を見たゲニーはプリンツェッスィンにある提案をする。

「なぁ。アンジュとデーアなら代わりになってもいいか?」
「え?」

 ゲニーの言ってる意味がわからないプリンツェッスィンは首を傾げた。

「だから、お乳だよ。アンジュとデーアにお乳が出る魔法かけるから、二日に一度は二人のお世話の休日を作れ。お前が倒れたら元も子もない。子供たちだって悲しむだろ?」
「……そうですね。分かりました。お母様たちだったら代わって貰っても大丈夫です」
「よし! 決まりだな!」

 そう言ったゲニーは振り返り、アンジュとデーアに魔法をかける。

「は?!」
「え?!」

 アンジュとデーアもいきなり魔法をかけられ動揺した。

「ゲニー、お前もう魔法作ってたのか……」

 ヴァイスハイトは弟を呆れた目で見て、ため息をつく。

「ヴィーにとっても決して悪くないと思うぜ?」

 ゲニーはヴァイスハイトにウインクをし、そして近寄り何か耳打ちをした。

「成程」

 ニヤリと笑い合う二人を見て、アンジュとデーアは嫌な予感を感じる。

「だってさぁ〜、ヴァールだけ狡いし?」

 王座から降りたゲニーは昔のような口調に戻っていた。

「狡いとは?」
「え? お前まさかしてないの?」

 一応女性陣に気を使ったゲニーが、狡いと言われ少し不服そうな顔をしたヴァールに耳打ちする。

「お前、ツェスィーと母乳プレイしないの?」
「す、するわけないじゃないですか?!」
「は? 何だそれ! 今何が楽しいかってそれが出来ることなのにしないのかよ!」
「子供が可愛くて楽しいんです!」
 
 ヴァールは顔を真っ赤にして抗議した。

「子供を授かったのに、まだ初心なのか……」

 顔を真っ赤にする息子を見て、ヴァイスハイトはやれやれとため息をついたのだった。



 その夜はアンジュにブルーダーを、デーアにシュヴェスターを預けた。

「久しぶりに二人きりですね」
「そうだね」

 ベットの上に座った二人は甘い雰囲気になり、寝間着姿で見つめ合う。

 ヴァールはふと昼間ゲニーたちが言ってた母乳プレイというのを思い出した。

 その事で急に顔を赤くしたヴァールを見て、プリンツェッスィンは心配になり口を開く。

「兄様どうしたのですか?」
「何でもない」

 そう愛しの妻に聞かれたが、ヴァールは何もないとはぐらかした。

「もう夫婦なんですよ。隠し事はなしです」

 頬を膨らまし、ぷんぷんと怒るプリンツェッスィンを宥めたヴァールは観念し、口を開く。

「ご、ごめんね……。分かった、話すから……。その……母乳プレイって単語教えて貰って……ね」

 顔を赤らめながら話す夫を見て成程とプリンツェッスィンは片手をグーにしてポンと手の平を叩いた。

「兄様はしたいのですか?」
「ふぇ?! え……まぁ……したくないと言ったら嘘になるけど……」

 ヴァールは情けない声を出し、狼狽える。

「なら、しましょう?」

 そう言ったプリンツェッスィンは詠唱し、姿を大きくさせた。

「えぇ?!」
「ふふ、可愛い。ヴァールちゃん、ママのおっぱい飲む?」

 大人の姿になったプリンツェッスィンは、自身のたわわな胸にヴァールの頭を引き寄せ、彼を覗き込む。

「今日いっぱい頑張ったヴァールちゃんに、いいこいいこしてあげるね」

 ヴァールはそのまま上向きに膝枕され、下履越しに局部をさすられた。顔にはプリンツェッスィンの豊満な胸が吸い付く。

 ムラムラしてしまうヴァールはそのままプリンツェッスィンの施しを受けることにした。

 プリンツェッスィンは裸になる。ヴァールの先走りで彼の下履が濡れ始めると、彼女は下履をずらし夫の硬く大きくそそり立ったものを顕わにした。

 そしてヴァールに自分の乳首を吸わせお乳を飲ませながら、裏筋を扱き、欲棒のお口を親指でくちゅくちゅと責め立てる。

「ふふ、ママのおっぱい美味しいでちゅか?」

 ヴァールは真っ赤になりながら頷き、そして吐精した。

「ママも、ヴァールちゃんに吸われてあそこ濡れちゃった。悪いママにお仕置きしてくれる?」
「うん、可愛くて悪いママにお仕置させて?」

 乳首から口を離したヴァールは興奮した様子でそう言い、プリンツェッスィンを組み敷く。

「ヴァールちゃん脱げる?」
「ママが脱がしてくれる?」

 プリンツェッスィンはこくんと頷き、器用にヴァールの下履を脱がせた。

「もう。さっき出したのにもう大きくして」
「ママが可愛いから仕方ないよ」

 ヴァールに胸を吸われながら、彼のものを扱いたプリンツェッスィンの薄桃色の泥濘はもうとろとろに出来上がっていて、彼の雄々しいものを簡単に飲み込んでしまう。

「んん、ああん!」
「ママ可愛い。ママの腟内(なか)とろとろで気持ちいい」

 ぱちゅぱちゅと挿入の音が部屋に響きわたり、段々とそれが早く激しくなった。

「ヴァールちゃ、だめ、あん! 奥、ダメ! ああん!」
「ん! ママ、奥ぐりぐりと突かれるの、好き、だよね!」

 目合う二人の息は荒く、言葉が途切れ途切れになる。

「ダメ! イく! イっちゃう!」
「イっていいよ! ツェスィー、イって!」
「「――!!」」

 快感の波が襲い、二人は同時に果てた。はぁはぁと荒い息を整えながら、お互いを見つめ合う。

「ツェスィー、可愛い。愛してるよ」
「兄様、私も愛してます」

 そして優しくそっと唇を合わせ、離したあと二人は微笑み合い、意識は微睡みの中に消えていった。



 ヴァールとプリンツェッスィンはそれから沢山の功績を残していく。二人はいつも一緒で、おしどり夫婦としても有名となった。

「次、俺王様の役ね! 今の王様、賢王って呼ばれててすっげぇんだぜぇ!」
「じゃあ私は王妃様の役よ!」
「でも、王様ってこうも呼ばれてるよね、ロリコン王って!」
「あれでしょ? 王妃様が幼女みたいだからでしょ?」
「私も見たことあるけど、すっごい幼かったよね! いくつなのかしら?」
「え?! 僕が見た王妃様は色っぽいお姉さんだったよ?」
「え? 王妃様は一人のはずだよ?」

 子供たちが王と王妃について話しているとどこからか老婆がけたたましい声を出しながら近付いてくる。

「こらー! 王様たちの悪口言ってんじゃない!」
「げぇー! ばばあが来た! 逃げろ!」

 怒られた子供たちは散り散りに逃げていった。

「……本当全く。この子らたちは王様たちのお陰でどれだけ助かってるか分かってんのかね……。それにこのフリーデン王国は一代目から賢王だよ。本当に、この国は良い国だ……」

 ヴァールが王になってから更にフリーデン王国は発展する。その功績は国民なら誰もが認めるもので、王族を敬った。

 そして老婆は眩しそうに青空を見上げ、微笑むのであった。