いつか飯尾の存在を怪訝に思って復讐してこないとも限らない。
そもそも組織の金を持ち逃げしたのはこの男の方なのだ。

死んでもらっても罪悪感はなかった。
だから飯尾は男が最後の仕上げをしている間に車に仕掛けをさせてもらった。

さて、再び住人がいなくなったこの家を、こんどは誰が暮らすことになるだろう。
飯尾はほくそ笑んでその場を後にしたのだった。

END