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冨永が作る料理は美味しかった。
こいつにこんなものが作れると思っていなかった男は驚いた。

このまま家に置いてやって、家事の一切をまかせてしまってもいいかもしれないとさえ、考えた。

金はいくらでもある。
冨永も働くと行っている。

それなら問題ないんじゃないか。
だけど、公園でお弁当食べているときにその甘い考えは打ち消した。

同じ家に暮らしていればいつかはかならずボロが出る。
自分の正体に冨永が気がついたとき、警察に駆け込まれる可能性もある。

組の金を持ち逃げしたときに決めたはずだ。
俺はこの先天涯孤独に行きていく。

決して誰のことも信用しないと。