このままじゃダメだ。
でもどうすればいいかわからない。

鍵が変われば冨永はもう来ないと思っていたけれど、状況が変わった。
今家にいて鍵交換を見守っているのは自分ではなく、冨永なのだ。

表札も冨永のままになっているから、鍵屋も特に疑うこと無く新しい鍵をあの男に渡してしまうだろう。

そうなるとあの男は本気で家に居座るようになってしまう。
もう、警察に言うしかないか……。

太一はジッと自分のスマホを見つめたのだった。