家事をする手間が省けてキレイな空間で生活ができるというのは魅力的なことに感じられた。
「落ち着いたらバイトとか、パートで仕事をします。家賃もいれます!」

必死に懇願してくる富永のことがなんとなく可愛そうに感じられてきた。
この家を買い戻すつもりだったということは、ひとまず金もありそうだ。

「わかった。それなら今日だけは泊めてやる。でも、明日には出ていけ」
太一がそう言うと、冨永はまた額を床にこすりつけて「ありがとうございます!」と運動部さながらに声を張り上げたのだった。