「へー遥菜チャン,おべんと自分で作ってるの? 偉いねー。ってかうまそう」



は,はるなちゃん?



「あっえっと,そう……? 早く起きれたときだけ。ちょっぴり趣味なの」



生返事をしながらも,若菜くんの視線はある1つに注がれたまま。



「たまご,好きなの? 食べ,る?」

「えーなんでそんな恐る恐るなの? もっと気軽に行こー! あと食べる! 卵焼きにチーズ,初めて見た」



どうぞと,菓子パンの袋の上に置くと,以外にも本当に嬉しそうにして食べてくれた。

思ったより苦手意識を持たなくてもいいんじゃかいかと,若菜くんのその様子を見て思う。



「なにこれうまっ。あまっっ。すげー」



不覚にも嬉しくなって笑うと,隣からすっと手が伸ばされた。

誰? と反対を向くと,高知くんで。

高知くんは自分のお弁当の中身の一部を,私のお弁当の蓋に乗せていた。

なんで? と視線だけで尋ねる。



「若菜に取られて減っただろ。嫌いじゃなければあげる」



ブロッコリーにトマトに焼豚。

色々ぽいぽいと見境なく彩り豊かに置かれて,私は戸惑った。