菊女に入れる程の、お金はなかった。


だから、塾に通わせてもらって必死に勉強して特待生の座をつかみとった。


周りには無理だと言われ続けた。それを私はやり遂げたのだ。



【次は○○駅-】


あっ。降りなきゃ…。


電車を降りて駅を出る。しばらく歩くと車の列が。


お嬢様学校なんだから当然なんだけど…。この行列なら歩いた方が早くない?


「おっはよー!向日葵!」

「撫子。おはよう」


そんなことを思っていたら一台の車が窓を開いて、大きな声が。


顔を見なくても声で分かった。


伊集院 撫子(イジュウイン ナデシコ)


私の唯一の友