日曜日は部活が休み。だからお母さんのお出かけに一緒に連れて行ってもらった。
前から狙ってたヘアオイルといい香りがするシャンプーを今日は買うんだ。
お目当ての商品はわかりんチャンネルでしっかり予習済み。平日の夜は寝る前にわかりんチャンネルを見てるんだから。
一華が修也に古典の教科書を貸してから、私は一華とうまく話せなくなった。一華も晴翔のことを好きかもって考えたらモヤモヤしちゃう。
一華は変わらずに私に話しかけて笑顔を見せてくれる。
でも、直接一華に好きな人を聞いたわけじゃないし、一華が好きなのは晴翔じゃない可能性だってまだあるよね。
そんなことを悶々と考えちゃう。どうしたらいいのかわからない。
もし一華が恋のライバルになるなら、私は一華に負けたくない。晴翔に可愛いって思ってもらえるように私は頑張るしかない。
目的のドラッグストアに着いた。普段はお母さんと妹と同じシャンプーやコンディショナーを使っている。でもそんな私とはもう卒業。これからは自分でシャンプーを選ぶ時代だよ、お母さん。
わかりんが紹介していたいい香りの出るシャンプーとコンディショナーを見つける。ついでに石鹸も新しいのを買う。
香りって聞いて最初は香水とかつけた方がいいのかなって思った。けどわかりんが自然な香りも男子ウケがいいって言ってたから少し安心。まずはシャンプーと石鹸で勝負だ。次に見つけたのはヘアオイル。髪に艶を出してくれるんだって。
ヘアオイルを買い物カゴに入れた時はお母さんも少しびっくりしてた。「こんなの買ってどうするの?」なんて聞いてくる。
クラスの女子で流行っているからと何とか無理矢理押し通す。恋愛に妥協なんかできません。これは女子の真剣な戦いなんです。
部活に、恋に、女子高生は大変なんです!
店員さんが読み取った商品の金額を見てゾワっとした。思ったよりも結構な金額がしてびっくり。モテることに浮かれてて金額のこと、何も考えていなかった。先月のお小遣いがまだ残っていてよかった。
「最近の女子高生は大変ね」
お母さんの小さな呟きが聞こえる。本当、色々大変です。
でも心の中はすごくワクワクする。これを使って私はもっと可愛くなる。モテる女子になる。そしたら晴翔も私の方を振り向いてもらえるかもしれない。今日の夜は買ったばかりのシャンプーと石鹸を使ってみよう。
家に帰って買い物のことを妹の瀬菜に話すと予想通り「お姉ちゃんずるい、私も使いたい」と言われてしまった。
四つ下の妹はまだ小学生。そんな子供が私のモテアイテムを使うのは早い。
「理菜もちょっとくらい貸してあげたらいいでしょ?」
「お母さん、これ私のお小遣いで買ったんだよ?瀬菜も使うならお母さんがお金出してくれるの?」
「瀬菜、もう少し大きくなるまで我慢しなさい」
さすが、私の母親。お金のこととなると姉妹間でもすごいシビアだ。
「お姉ちゃんのけち」
そう言って瀬菜は少し膨れた。妹ながら怒ると顔がプクッとなるところが可愛い。
自分でも少し大人気ないかなとは思ったが人生はそんなに甘くない。生きることの大変さを妹に教えてあげるのも姉の立派な役目だ。
私はウキウキしながらシャワーを浴びた。ボトルを押しただけでいい香りがする。
私の頭いい香りすぎになっちゃうよ。もうそれだけで幸せな気分になる。
頭を洗った次は体だ。これも新しい石鹸を身にまとう。今、自分史上一番いい香りがしている瞬間ではないだろうか。
私にとっては初めてのことだけど、他の女の子はこういう努力をしているんだもんね。キラキラ輝く女の子を見て眩しいと思ってたけど、こうやって努力を続けてたら自分に自信がついてくるのもわかる気がする。
私も少林寺を続けて、少しずつ強くなった。その時の自分と今の自分が重なる。
浴室に響くシャワーの音がいつもより心地よく聞こえた。
前から狙ってたヘアオイルといい香りがするシャンプーを今日は買うんだ。
お目当ての商品はわかりんチャンネルでしっかり予習済み。平日の夜は寝る前にわかりんチャンネルを見てるんだから。
一華が修也に古典の教科書を貸してから、私は一華とうまく話せなくなった。一華も晴翔のことを好きかもって考えたらモヤモヤしちゃう。
一華は変わらずに私に話しかけて笑顔を見せてくれる。
でも、直接一華に好きな人を聞いたわけじゃないし、一華が好きなのは晴翔じゃない可能性だってまだあるよね。
そんなことを悶々と考えちゃう。どうしたらいいのかわからない。
もし一華が恋のライバルになるなら、私は一華に負けたくない。晴翔に可愛いって思ってもらえるように私は頑張るしかない。
目的のドラッグストアに着いた。普段はお母さんと妹と同じシャンプーやコンディショナーを使っている。でもそんな私とはもう卒業。これからは自分でシャンプーを選ぶ時代だよ、お母さん。
わかりんが紹介していたいい香りの出るシャンプーとコンディショナーを見つける。ついでに石鹸も新しいのを買う。
香りって聞いて最初は香水とかつけた方がいいのかなって思った。けどわかりんが自然な香りも男子ウケがいいって言ってたから少し安心。まずはシャンプーと石鹸で勝負だ。次に見つけたのはヘアオイル。髪に艶を出してくれるんだって。
ヘアオイルを買い物カゴに入れた時はお母さんも少しびっくりしてた。「こんなの買ってどうするの?」なんて聞いてくる。
クラスの女子で流行っているからと何とか無理矢理押し通す。恋愛に妥協なんかできません。これは女子の真剣な戦いなんです。
部活に、恋に、女子高生は大変なんです!
店員さんが読み取った商品の金額を見てゾワっとした。思ったよりも結構な金額がしてびっくり。モテることに浮かれてて金額のこと、何も考えていなかった。先月のお小遣いがまだ残っていてよかった。
「最近の女子高生は大変ね」
お母さんの小さな呟きが聞こえる。本当、色々大変です。
でも心の中はすごくワクワクする。これを使って私はもっと可愛くなる。モテる女子になる。そしたら晴翔も私の方を振り向いてもらえるかもしれない。今日の夜は買ったばかりのシャンプーと石鹸を使ってみよう。
家に帰って買い物のことを妹の瀬菜に話すと予想通り「お姉ちゃんずるい、私も使いたい」と言われてしまった。
四つ下の妹はまだ小学生。そんな子供が私のモテアイテムを使うのは早い。
「理菜もちょっとくらい貸してあげたらいいでしょ?」
「お母さん、これ私のお小遣いで買ったんだよ?瀬菜も使うならお母さんがお金出してくれるの?」
「瀬菜、もう少し大きくなるまで我慢しなさい」
さすが、私の母親。お金のこととなると姉妹間でもすごいシビアだ。
「お姉ちゃんのけち」
そう言って瀬菜は少し膨れた。妹ながら怒ると顔がプクッとなるところが可愛い。
自分でも少し大人気ないかなとは思ったが人生はそんなに甘くない。生きることの大変さを妹に教えてあげるのも姉の立派な役目だ。
私はウキウキしながらシャワーを浴びた。ボトルを押しただけでいい香りがする。
私の頭いい香りすぎになっちゃうよ。もうそれだけで幸せな気分になる。
頭を洗った次は体だ。これも新しい石鹸を身にまとう。今、自分史上一番いい香りがしている瞬間ではないだろうか。
私にとっては初めてのことだけど、他の女の子はこういう努力をしているんだもんね。キラキラ輝く女の子を見て眩しいと思ってたけど、こうやって努力を続けてたら自分に自信がついてくるのもわかる気がする。
私も少林寺を続けて、少しずつ強くなった。その時の自分と今の自分が重なる。
浴室に響くシャワーの音がいつもより心地よく聞こえた。