いつもと違って今日は八時過ぎに家を出た。これなら急いで自転車を漕がなくても学校に間に合う。
席替え二日目。汗だくのまま、晴翔の近くにいるのは嫌だ。だから今日は頑張って家を早く出た。こんな時間に家を出たのは高校になってから初めて。
昨日の夜、寝る前にわかりんチャンネルを少しだけ見た。せっかく晴翔と近くなったのだ、モテにも力を入れなくちゃ。
わかりんチャンネルを見て思ったけど、モテるのって難しい。世の彼氏のいる女の子はこんなに健気な努力を続けているのか。
すぐには私も変われない。だけど変われるところから少しずつ変わっていこうと思うんだ。
今日は頑張って早起きをして、いつもより念入りに髪を整えた。どうやら髪はモテで大切みたい。普段だって寝癖とかは直してるけど、今日は少しだけセットも意識してみた。
本当はヘアオイルとかで艶のある髪にしたいけどそんなの持ってないし。
それに香りも重要らしい。確かに昨日のバスケ部女子もいい香りがしていた。やっぱりモテる女子はそういうところが違う。
今度の日曜日、いい香りのするシャンプーでも買いに行こうかな。考えるだけでウキウキしてくる。
あと、ちょっとだけお化粧もしてみた。私の高校は原則、化粧は禁止だ。だから派手な化粧とかはできないけど、うっすらとバレない程度のナチュラルメイクをしてみたんだ。
メイクしたり髪を整えたり。ちょっとしたことだけど、何だか少しだけいつもとは違う自分に変身したみたいな気がしてくる。
八時二十分には学校に着いた。私が教室に入るとクラスのみんなが驚いた顔をしてこっちを見てくる。
もしかして化粧したり、髪を整えたのがバレちゃった?
そんな私の不安はどこへやら、みんな「理菜がこんな時間に学校にいるなんて珍しいね」と口を揃えていた。もう、ハラハラさせないでよ。
晴翔は昼休みと同じように小説を読んでいた。授業中以外、ずっと小説を読んでいるのかな。小説を読んでいるだけなのにどうしてこんなにカッコよく見えるんだろう。
「おはよう、理菜」
一華もすっかり自分の席に座っていた。よくよく一華のことを見てみると、ポニーテールにまとまった髪は艶があるし、肌も少し化粧がしてある。
それにお弁当だって作っているはずだ。全く、何時に起きればそんなに朝から活動することができるのだろう。
「おはよう。どう、私もたまには早く学校来れるよ」
私の席から見える、晴翔の横顔。朝からとっても爽やかでかっこいい。
晴翔ともっと仲良くなりたい。晴翔ともっと話したい。
あと、可愛い私をもっと晴翔に見てほしい。ってもう、朝から私、何考えてるの?
「理菜、顔赤いよ。今日すごい自転車飛ばしてきたんじゃない?」
一華が私の顔を見て心配してくる。違う、私の顔が赤いのは自転車の漕ぎすぎじゃなくて晴翔のことを考えていたからで。
「全然、そんなことないよ。今日いつもより早く起きれたから、家出たのも早かったの」
「そっか。じゃあなんで理菜の顔赤いんだろ?」
そんなに突っ込まないで。晴翔に私の顔が赤いのがバレちゃうでしょ。
「何でだろう、太陽がキラキラして暑かったのかな」
「キラキラって何さ。まあ、理菜っぽいからいいけど」
何だかわからないけど、一華がケラケラと笑っている。
朝の会を告げるチャイムが鳴る。今日はまだ始まったばかりなのに、もうドキドキが止まらない。
嬉しい心配をしながら、リュックの中を開き一時間目の準備を始めた。
席替え二日目。汗だくのまま、晴翔の近くにいるのは嫌だ。だから今日は頑張って家を早く出た。こんな時間に家を出たのは高校になってから初めて。
昨日の夜、寝る前にわかりんチャンネルを少しだけ見た。せっかく晴翔と近くなったのだ、モテにも力を入れなくちゃ。
わかりんチャンネルを見て思ったけど、モテるのって難しい。世の彼氏のいる女の子はこんなに健気な努力を続けているのか。
すぐには私も変われない。だけど変われるところから少しずつ変わっていこうと思うんだ。
今日は頑張って早起きをして、いつもより念入りに髪を整えた。どうやら髪はモテで大切みたい。普段だって寝癖とかは直してるけど、今日は少しだけセットも意識してみた。
本当はヘアオイルとかで艶のある髪にしたいけどそんなの持ってないし。
それに香りも重要らしい。確かに昨日のバスケ部女子もいい香りがしていた。やっぱりモテる女子はそういうところが違う。
今度の日曜日、いい香りのするシャンプーでも買いに行こうかな。考えるだけでウキウキしてくる。
あと、ちょっとだけお化粧もしてみた。私の高校は原則、化粧は禁止だ。だから派手な化粧とかはできないけど、うっすらとバレない程度のナチュラルメイクをしてみたんだ。
メイクしたり髪を整えたり。ちょっとしたことだけど、何だか少しだけいつもとは違う自分に変身したみたいな気がしてくる。
八時二十分には学校に着いた。私が教室に入るとクラスのみんなが驚いた顔をしてこっちを見てくる。
もしかして化粧したり、髪を整えたのがバレちゃった?
そんな私の不安はどこへやら、みんな「理菜がこんな時間に学校にいるなんて珍しいね」と口を揃えていた。もう、ハラハラさせないでよ。
晴翔は昼休みと同じように小説を読んでいた。授業中以外、ずっと小説を読んでいるのかな。小説を読んでいるだけなのにどうしてこんなにカッコよく見えるんだろう。
「おはよう、理菜」
一華もすっかり自分の席に座っていた。よくよく一華のことを見てみると、ポニーテールにまとまった髪は艶があるし、肌も少し化粧がしてある。
それにお弁当だって作っているはずだ。全く、何時に起きればそんなに朝から活動することができるのだろう。
「おはよう。どう、私もたまには早く学校来れるよ」
私の席から見える、晴翔の横顔。朝からとっても爽やかでかっこいい。
晴翔ともっと仲良くなりたい。晴翔ともっと話したい。
あと、可愛い私をもっと晴翔に見てほしい。ってもう、朝から私、何考えてるの?
「理菜、顔赤いよ。今日すごい自転車飛ばしてきたんじゃない?」
一華が私の顔を見て心配してくる。違う、私の顔が赤いのは自転車の漕ぎすぎじゃなくて晴翔のことを考えていたからで。
「全然、そんなことないよ。今日いつもより早く起きれたから、家出たのも早かったの」
「そっか。じゃあなんで理菜の顔赤いんだろ?」
そんなに突っ込まないで。晴翔に私の顔が赤いのがバレちゃうでしょ。
「何でだろう、太陽がキラキラして暑かったのかな」
「キラキラって何さ。まあ、理菜っぽいからいいけど」
何だかわからないけど、一華がケラケラと笑っている。
朝の会を告げるチャイムが鳴る。今日はまだ始まったばかりなのに、もうドキドキが止まらない。
嬉しい心配をしながら、リュックの中を開き一時間目の準備を始めた。