「ってかさ、俺が知らねーとでも思った? お前らが明花にやったことは、こっちは全部見てんだよ」



「……っ!」



「今度、また明花に同じようなことをしてみろ。次はない」



琥珀色の瞳から鋭い眼光を放つ月神くんは、まるで本物の狼のようで。



どうしてか、ふと記憶の奥底から引っ張り出したような懐かしさを覚えてしまった。




何だろう。



まだ小学校に入る前。嫌がらせをして来る子たちに向かって、



『やめろーっ! 弱い者いじめすんじゃねーよ!』



と身を挺して私を庇ってくれた男の子の面影が、月神くんに重なって見える。