「もしかして、親の仕事の都合で転校したっていうのは嘘で、本当は学校に友達がいなかったからでしょ?」



「修学旅行の班に入れてくれるような子、だーれもいなかったもんねーっ!」



「もしかして、あたしたち以外あんたの存在なんて認識なかったりして」



キャハハハ、と再び甲高い笑い声が、私の耳をつんざいた。




ビルとビルの隙間にいるせいか。笑い声が反響して、私をじわじわと追い詰めていく。



こういう時に月神くんがいてくれたらいいのにな。



彼、今頃どうしてるんだろう? まだワンちゃんの飼い主さんを探しているのかな?



それとも、私が急にいなくなったことに気付いて、「あいつ勝手に帰ったな」って怒っていたりして――……、