その際に、私はコンクリートの壁に思いっきり背中をぶつけてしまって、痛みで顔を歪ませる。



――まただ。




1学期の時もそうだった。



2人の機嫌が悪くなったとたんに、何かと私を人気のない場所に連れ出しては、サンドバッグ代わりに暴力を受けてたんだよな……。



嫌な記憶が脳裏によみがえって、この2人に会うまでの楽しい気持ちが嘘みたいにしぼんで消えていく。



今、私の目の前にいる相沢さんと園田さんは、前の学校で同じクラスだった一軍女子で、教室ではいつも我が物顔のように振る舞っていた2人組。



派手で強気で、かなり目立つ存在で。



彼女たちとは対照的に、地味で弱気で存在感が薄い私は2人に、クラスメイトを巻き込む形でいじめられていた。