近くに立てかけてある看板に、いちごが盛りだくさんのクレープの写真が貼ってあるのを目にしたとたんに、さっきまでわいてこなかったはずの食欲がそそられる。



「もしかして、あれが欲しいのか?」



クレープの写真をじーっと見つめていると、月神くんが声をかけてきた。



「う、うん……」



「何だ、明花も腹減ってたのかよ。じゃあ、買いに行こうか」



「へっ? いいの?」



「ああ」



月神くんはうなずくと、私を連れてキッチンカーに向かった。



私がいちごとバニラアイスのクレープ、月神くんはコーヒーゼリーのクレープを注文する。