紅林くんが呆れたようにはーっとため息を吐くと、理人と呼ばれた眼鏡男子くんは、



「だって、朱音(あかね)くんたちがコソコソしてるから、面白そうだと思って」



と悪びれるどころかニコニコと笑った。




「朱音……?」




聞き慣れないかわいらしい名前に私が首をかしげると、



「紅林朱音。俺の下の名前なの」



と、紅林くんが不服そうに顔をしかめて教えてくれた。