「あの子が告白するのかな……?」



ドキドキと胸を高鳴らせ、今か今かと待ち遠しくしている私に対して、



「えー? でも、告白の現場にしては、なーんか空気が不穏じゃなーい?」



と、紅林くんが訝しむように顔をしかめた。



言われてみればたしかにそうかも。



月神くんと女の子の間には、少女漫画にありそうな告白前のじれじれした雰囲気は皆無。



今にも喧嘩が始まってもおかしくないぐらい、2人を取り巻く空気はピリピリと張り詰めていた。



女の子の表情も見るからに険しいし、月神くんも「おい、早く言えよ」って、つっけんどんな口調で急かしてるし……。