「あのっ……私たち、付き合ってないんだよね? 付き合っている『フリ』をしてるだけなんだよね⁉」



念のため月神くんに確認すると、「そうだけど、何で?」と逆に質問されてしまった。



「だって、なんか本格的じゃん! 利害の一致というビジネスライクな関係なんだから、もう少しドライな対応でも別にいいんだけど……」




このままだと、私の心臓がいくつあっても足りないよ……。



と困っていると、「は? 何言ってんだ」と月神くんに光の速さで一蹴されてしまった。



「偽物だからこそ、怪しまれないように徹底的に本物を演じるんだよ」