「というわけで、お前の秘密を守るのを条件に、ハロウィンまで俺の花嫁前提の彼女のフリをしてもらおうと思ったってわけ」



「フリ? 本当に彼女になるんじゃなくて?」



「ああ。お前は他のやつらに秘密をバラされなくて済むし、俺は俺で彼女がいるって噂が立って、女除けになる。ほら、お互い得にしかならない話だろ?」



たしかに、理にかなっていると思う。



こういった頼み事って、自分に好意を寄せているってわかりきってる子じゃなくて、利害関係が一致した人に頼んだ方がいいし、後々トラブルにならないかも。



「それじゃあ、俺がお前の秘密を守る代わりに、お前は俺の彼女のフリをするってことでいいか?」



この提案には乗った方がいいかもしれない。そう判断して、私はうなずいた。



「わかった。よ、よろしくお願いします……」



「決まりだな。こちらこそよろしく、明花」