まったく身に覚えのないことにしどろもどろになっていると、月神くんが私に目配せしてくる。



なんだかまるで、『話を合わせろ』と言っているみたい。



正直、自分がこんな強引な狼男の彼女だと嘘をつくのすら嫌だけど……、私の正体が紅林くんにまでバレてしまいそうなこの状況で、四の五のなんて言ってられない。



「そっ……、そう! 私、月神くんの彼女なの!」




つい声が変に上ずってしまったけど、首をコクコクと縦に振りまくる。



「と、いうわけだ。しかも、ただの彼女じゃなくて、俺の花嫁になる前提の彼女だからな」



やめてよ!



その件については断ったじゃん!