「私、売店で食べ物買って来ます! だから、ここでしばらく――」
待っててください。と告げてから走り出そうとしたとたん、急に手首をがしっとつかまれた。
瞬間、ものすごい力で後ろにぐいっと引っ張られる。
「えっ?」と声を上げる間もなく、私の体は、いつの間にか上体を起こした黒髪の男の子の腕の中にすっぽりと収まっていた。
「きみ、いい匂いがするね」
こちらを見下ろす彼のうっすらと開いたまぶたから、ガーネットのような深紅の瞳がのぞいた。
あまりにも綺麗なその色に、自然と目が釘付けになってしまう。
待っててください。と告げてから走り出そうとしたとたん、急に手首をがしっとつかまれた。
瞬間、ものすごい力で後ろにぐいっと引っ張られる。
「えっ?」と声を上げる間もなく、私の体は、いつの間にか上体を起こした黒髪の男の子の腕の中にすっぽりと収まっていた。
「きみ、いい匂いがするね」
こちらを見下ろす彼のうっすらと開いたまぶたから、ガーネットのような深紅の瞳がのぞいた。
あまりにも綺麗なその色に、自然と目が釘付けになってしまう。