「すっごーい! 全然気付かなかった!」



「さっすが、希少魔族の透明人間!」



「あ、あはは……。ありがとう……」



あー、よかったあ……。



ちょっと挙動不審な態度は取っちゃったけど、今日も無事に自分の正体を隠し通せることが出来てよかった。と、ほっと胸をなで下ろす。



そう。私はさっきの子たちが褒めそやす透明人間じゃない。



私の本当の正体は――、街中を歩けばどこにでもいるけど、この学園では珍しい、ただの人間なのだから……。