月神くんが私に向かって手を伸ばして、親指と人差し指の先で私の顎をつまんだ。



「俺の花嫁になればの話だけど」



「はなよめ……?」



「そう。つまり、俺と結婚――……」



「待って!」



月神くんが最後まで言い終わる前にストップをかける。



頭の中がこんがらがってきた。



だって、花嫁って何?



私、まだ中学生だよ?



14歳だよ?




まだ結婚できる年齢じゃないどころか、正体を秘密にしてもらうかわりに、出会ったばかりの月神くんと結婚しなきゃいけないって、交換条件にしては釣り合いが取れてなさ過ぎるでしょ‼