「おい、ちょっと顔貸せよ」



「ぜ、絶対にやだ……って、うわあっ⁉」



急にぐいっと腕を引っ張られたかと思ったら、バランスを崩して堅い胸板にぶつかった。



瞬間、足元が床から宙に浮く。



気付けば私は月神くんに横向きに抱きかかえられていた。




……って、待って。これ、どこからどう見ても……お姫様抱っこってやつだよね⁉



もしかして、昨日みたいに私を逃がさないようにするためにこんなことやってんの⁉