「じゃ、じゃあ記憶を消す魔法は?」



「あれを明花にかけてたんじゃなかったのかよ⁉」



詰め寄る私と月神くんに対して、科野くんは冷静だった。



「あー、あれは最初からかけてないよ。かなり高度な技術が必要な上に、記憶に干渉する魔法全般が危険な失敗につながることが多いからって少し前に禁止されたから」



ええっ⁉



何それ⁉ 聞いてない!



「そういうことなら早く言ってよ‼」




「そういうことを言っても、明花ちゃんなら強行すると思ったんだよ。『私がどうなってもいい』とか言って」



それは、あるかも……。