魔法陣から放たれていた淡い紫色の光が、潮が引くみたいにすーっと消えていった。



「ちょっと、明花ちゃん! 落ち着いて!」



さっきまでブツブツ呪文を唱えていた科野くんが、私たちの間に割って入って来る。



「でもっ……、月神くんにまで魔法がっ……!」



「大丈夫。魔法は魔法陣にしかかかってないから」



魔法陣は魔法陣にしかかかってない……?