「でも、止めに行くなら今だよ。俺はあいつと産まれた時からの腐れ縁だから、多少は魔法の知識があるんだけど……、『記憶に干渉する魔法』って、ものすごく高度で危険なんだよね」



「それって、どのぐらい……?」



「んー……、命に関わるぐらい。下手したら、明花ちゃんも理人も帰らぬ存在になったりして」



紅林の最後の言葉に俺の中で戦慄が走った。



明花も科野も、失いたくない。



特に明花は――俺たちの間にあるわだかまりを解消するまでは、絶対に。



「で、どうすんの? 止めに行くの?」



「行くに決まってんだろ‼」



思わず声を荒げた俺に、紅林はニッと笑って、「じゃあ、探しに行くよ」と走り出した。