「明花ちゃんが理人に、君との記憶を消して欲しいって頼んでた」



「は……?」



それって、俺のことを嫌いになったから?



一瞬ネガティブな考えが頭を過っていったけど、紅林が俺の心を読み取ったように、「月神が嫌になったんじゃないと思う」と教えてくれた。



「彼女、『転校する』って話してたよ。何があったか知らないけど、すごく覚悟決めた顔をしてた。まるで大事なことでも諦めるような顔だったよ」




「…………」