原因は自分でもわかってる。俺のせいだ。




ハロウィンのパーティで、本能抑制剤を飲むタイミングを見失った俺が暴走して、あいつにキスをしてしまったせいだ。



あの時の明花の目を見開いた顔が忘れられない。



謝ろうと思っても、「ねえ、颯。どこ行くの?」と、決まってまりあがくっついて来やがる。



こんなことになるのなら、交換条件だのニセ彼女だのと言ってないで、明花に出会った時点で素直に彼女に接するべきだったんだ。



昔、一緒に遊んだことがある話。



同年代の子供に『顔が怖い』と恐れられて、一人ぼっちだった俺にいつも笑顔を絶やさず、仲良くしてくれた話。



明花が引っ越してからもずっと忘れられなくて、しばらく経ってからこの気持ちが恋だと気付いて、今でも好きだという話を――……。