「さっきのあの女たち、明花の前の学校のやつらだよな?」



「うん……」



顔を強張らせてうなずくと、月神くんはがばりと頭を下げた。



「あんなことがあったのに、すぐに助けられなくて悪かった」



「いっ、いいよ! 月神くんが私の元に駆けつけて、守ってくれたのはとても嬉しかったし……! やっぱり、匂いで私の居場所がわかったの……?」



「いや、教えてくれたやつらがいるんだよ」



「えっ? 誰? どんな人?」



「ほら、そこにいるだろ」



月神くんがチラッと視線を向けた先――すぐ隣のテーブル席で、目深に帽子とパーカーのフードをかぶっている2人組が、ギクッとしたように肩を跳ね上げる。